病院によって異なるチーム医療の浸透度

高度先進医療を中心として、医師だけでは適切な治療を行えないケースが増えてきました。治療方法が存在せず、QOLの向上を目指すのが医療の目的になるケースも多く、チーム医療によって少しでも高い水準の医療を提供するという考え方が広められてきています。チーム医療の重要性の認識が広まって久しいものの、どの現場でも医師と対等な立場で、看護師や薬剤師が働いているというわけではありません。しっかりとチーム医療の考え方が浸透しているのは、各地の大病院程度というのが実情としてあり、中病院以下になると医師主導の体制が維持されていることが多いです。

看護師が職場選びをするときには、このような現状を考慮しましょう。看護師としてきちんと意見を出し、高い責任のある仕事をしたいと思っているなら、チーム医療が浸透している大病院を選ぶのが適切です。しかし、中には大きな責任を持つことに対して不安を抱く人もいるでしょう。あくまでも医師が方針を定め、自分はサポートする方がいいという気持ちがあるなら、医師主導の病院を選ぶのが無難です。

チーム医療は、確かに医師や看護師、薬剤師などの各分野の専門家が知識や経験、職能を発揮できるという点で優れている手段といえます。ただ、チームを構成するすべてのスタッフが、医療に対して大きな責任を負うことになるのです。それが負担になってしまう人には向かないことは確かなので、考え方に応じて適切な病院を選んで働くのが大切といえるでしょう。